コラム

ロイヤルブルーのコーヒー

目に見えない香りは、私たちの感性や気分を高めてくれる。

 

例えば、私は仕事の合間に飲む暖かいコーヒーが好きだ。

 

無機質で無骨で「シンプル」という言葉が社交辞令に聞こえるような机の引き台しには、様々なメーカーのドリップコーヒーをストックしている。

 

その机の引き台しを開けると、ほんの一瞬だが、冷やりとした空気を感じる。その冷やりとした空気の中に片手を入れ、一つのドリップコーヒーを暖かなほうへと引き上げ、給湯室へと向かう。

 

手にとったAGFのドリップコーヒーは、きちんとした佇まいで、美しいロイヤルブルーのパッケージに包まれている。

 

ロイヤルブルーといえば、ダイアナ妃を思い出す。

はじめは、セーターにジーンズという出で立ちの普通の女の子だった彼女が、イギリス王室へ入り、世界中からの視線を浴びたことで、ファッションに開眼した。

その後はご存知の通り、ファッショニスタとなり、いつも華麗な色を常にまとい、自分流に生きた美しい女性だ。

私自身、子供ながらにその美しさに魅了された一人でもある。

 

ロイヤルブルーの正方形のパッケージの切れ目をすっと縦に切り裂くと、一瞬で世界は変わる。

 

その香りは一種の中毒性がある。

 

コーヒー豆の香りは、どこか、よくある小説の中の登場人物の導き手の女性のように世界を変える前触れを示しているようでもある。

 

ポットから出たふんわりと白い湯気を確認し、ボーンチャイナの滑らかな光沢のコーヒーカップへお湯を注ぐと、さらにそのコーヒー豆の香りに包まれていく。

 

目を閉じると、ここが職場の給湯室であることさえ忘れてしまいそうになる。

 

目に見えない香りというものは、不思議な力を持っている。

イギリス王室を思い起こさせ、ダイアナ妃の人生を走馬灯のように頭の中に駆け巡らせることもある。

 

気分を高め、リフレッシュさせる力がある。

このコーヒーの香りの中毒性に人はハマるのだろう。

 

今朝は、カフェで暖かいコーヒーを飲みたいと思う。

 

 

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yorie
「素敵な人になるために、どう生きるか」をテーマとして、少しづつ自分流に生きる日常のことを言葉にして発信しています。